Tunnel3D Viewer

トンネルの断面形状と、区間ごとの支保パターンを入力すると、支保構造を3Dで見て歩けるツールです。ブラウザの中だけで動き、データは端末から出ません。

システム概要

トンネルの支保構造は、断面図と区間ごとの数量表で示すのが通例です。どこからどこまでがどの支保で、断面がどこで広がるのかは、書かれてはいても図面の上で組み立て直す必要があり、打合せの場で共通の像を持つまでに時間がかかります。受託している数値解析でも、支保の仕様を関係者と確かめる場面が案件ごとに繰り返し発生します。断面と区間の設定から立体の姿までを一続きにし、その場で見て歩けるようにしたのがこのツールです。

名前の「Tunnel3D Viewer」は見たとおりの意味です。URLとリポジトリで使っている postalys は開発コード名で、解析の後段(ポスト処理)の可視化を指しています。

解析そのものを置き換えるものではありません。支保をどう決めるか、その支保で足りるかの判断は、これまでどおり技術者が行います。

実際の画面

開くとサンプルのトンネルが入っており、その場で中を歩けます。断面や支保パターンを書き換えれば、3D表示はすぐに追随します。

トンネルの中から前方を見た表示(2026年9月時点)。青い輪が鋼アーチ支保工、黄色い棒がロックボルトで、壁の色は支保パターンを表します。下の帯にいまの測点と支保の諸元が出ます。実案件のトンネルではありません。
支保パターンの編集画面(2026年9月時点)。左の入力欄に入れた半径と中心が、右の断面プレビューにその場で反映されます。

できること

断面の形
内空断面を単心円または三心円で作ります。幅・高さから決める方式と、弧の半径と中心の座標を直接入れる方式のどちらでも入力でき、入力の途中から断面プレビューに反映されます。非常駐車帯のように片側だけ広げた断面も、左右を別々に入力して作れます。インバートの有無と厚さも断面ごとに持ちます。
支保パターン
吹付けコンクリートの厚さと施工範囲(上下半/上半のみ)、鋼アーチ支保工の型式(H-125・H-150・H-200)と施工範囲、ロックボルトの長さ・周方向本数・配置角度範囲を、パターンごとに設定します。1掘進長もパターンの諸元で、鋼アーチの建込間隔とロックボルトのリング間隔はこれに一致します。
区間の割り当て
測点で区間を区切り、区間ごとに支保パターンを割り当てます。測点の表記(STA./No./k)、観察点間隔、掘進方向(測点が増える向きか減る向きか)を選べるので、図面の測点をそのまま入れられます。延長は区間長の合計から逆算されます。
3Dで見て歩く
トンネルの中を前後に進みながら、支保がどう変わっていくかを見られます。全体を離れて見る俯瞰にも切り替えられます。いま立っている測点と、そこに適用されている支保パターンの諸元が画面の下に出続けます。
切羽と断面クリップ
掘進途中の姿を再現できます。上半の切羽の位置とベンチ長を指定すると、上半だけ先行して掘った状態(ベンチカット)になり、切羽より先の支保は表示されません。断面でモデルを切って、支保の重なりを断面から見ることもできます。
物量の集計
設定した区間と支保パターンから、吹付けコンクリート・鋼アーチ支保工・ロックボルトの物量を集計します。区間の切り方や支保パターンを変えると、集計もその場で変わります。
受け渡し
プロジェクトはJSONで書き出し・読み込みができます。URLに埋め込んで関係者に渡すこともでき、受け取った側は何も入れずにブラウザで開けます。3DモデルはGLBで書き出せるほか、外部で作ったGLBを読み込んで一緒に表示できます。
解析結果の重ね描き(試作)
支保の各要素に解析値を色で重ねる機能を試作しています。いま表示されるのはデモ用の合成値で、解析結果を読み込む機能はまだありません。

根拠と仕組み

断面の連続性
弧の半径と中心を直接入れる方式では、隣り合う弧が接線でつながること(中心間の距離が半径の差に等しいこと)を前提にしています。入力がこれを満たしていないときは画面上で警告します。左右で天端の高さが食い違うときも警告し、右半の値を採用します。
支保の位置
鋼アーチ支保工の建込間隔とロックボルトのリング間隔は、いずれも1掘進長に一致させています。ロックボルトは鋼アーチより坑口側へずらして置けます。掘進サイクルの上では、直前に掘ったラウンドの中に打設されるためです。区間内のリング数は、ずらす量によらず掘進の数と一致します。
すりつけの寄せ方
断面が変わる境界には、スパン数で指定したすりつけ帯を置きます。帯は境界の前後に対称に置くのではなく、支保の軽い側(支保が同等なら断面の小さい側)の区間に寄せます。守る側の区間は、全長で設計断面を確保するためです。帯の実長は、受け側の掘進長の整数倍に切り下げます。
検証
断面の作図、支保の割付、すりつけの計算、測点の換算には単体テストを置いています。同じ入力からは同じ形が得られることを、テストで確認しています。

使える条件と範囲

対象
山岳トンネル(NATM)の支保構造。吹付けコンクリート・鋼アーチ支保工・ロックボルト・インバートを扱います。
入力
断面形状の寸法と、区間ごとの支保パターン。画面の入力欄から作ります。お持ちでなくても、初めて開いたときに同梱のサンプルが入っているので、そのまま触れます。
出力
画面上の3D表示と物量の集計。JSON・共有URL・GLBで持ち出せます。
使える人
どなたでも。登録は要りません。
いまの状態
公開中(どなたでも)
データの扱い
入力した内容はブラウザの中に保存され、サーバーに送る仕組みを持っていません。共有URLはプロジェクトの内容をURL自体に埋め込む形なので、渡す相手と経路はお確かめください。

ご相談

ツールはそのままお使いいただけます。支保の仕様をどう決めるか、その支保で地盤の挙動に対して足りるかは、数値解析としてご相談ください。お手元の断面や区間の資料からモデルを組むところからでもお引き受けします。